

L-カルニチンは、全身のあらゆる細胞に存在している物質で、私達が生きるために必要な、脂肪からのエネルギー産生(つまり脂肪燃焼)に欠かせない役割を果たしています。L-カルニチンはリジンとメチオニンという2つのアミノ酸を材料に主に肝臓で作られる他、食事からも補給されるため、体内ではほぼ一定の量が保たれています。しかし20歳くらいをピークに少しずつ減りはじめ、中年になると若い頃の半分から7割程度にまで減ってしまい、高齢者では大部分が無くなってしまうことが判っています(図1)。また、一般的に先進国では脂肪摂取の過多、運動不足が典型的なライフスタイルとなるために燃焼せずに蓄積する脂肪が増えやすい状況におかれているといえます。そこで脂肪燃焼に欠くことのできないL-カルニチンの利用に大きな期待が寄せられています。

L-カルニチンの体内合成量は、健康な方で1日25〜30mgと見積もられています。この量は成人1人あたりのL-カルニチン体内量のわずか0.1%に過ぎません。従って体内量の維持には食事からの上手な摂取が大切となることが想像されます。身近な食品では羊や牛の赤身肉がL−カルニチンを豊富に含みます。豚肉や鶏肉にも含まれていますが、羊肉や牛肉と較べるとずっと少なくなります。一般に魚類は鶏肉よりさらに少なく、植物性の食品には頼りになるL-カルニチンの供給源はありません。日本人の食事は、加齢が進むに従って肉よりも魚が好まれる傾向が強くなりますが、羊肉を多食するモンゴルやオセアニア、ヨーロッパの人々と較べ、L-カルニチンの体内量が少ないことも知られています。脂身の少ない肉や、サプリメントを上手に食生活に取り入れて、L-カルニチンを減らさないように心がけたいものです。

