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α-リポ酸はチオクト酸とも呼ばれています(サプリメントの原材料表示はチオクト酸(α-リポ酸)と表示されています)。α-リポ酸は私達が生きる上で最も大切なエネルギー源である糖分の代謝に深く関わって「元気」を作り出している他、活性酸素の害からカラダを守る体内抗酸化物質としても最も重要な物質のひとつです。α-リポ酸は食品にはほとんど含まれていないため体内で合成されて必要量が補われていますが、年を重ねるに従ってその合成能力は衰え、体内量が減少すると考えられています(文献①)。
【可食部1kgあたりに含まれるα-リポ酸の量(単位:mg)】(文献②③)
| 牛 肉 | 0.2〜0.4 | ほうれん草 | 1.3〜2.6 |
|---|---|---|---|
| 牛肝臓 | 0.6〜1.1 | ブロッコリー | 0.4〜0.7 |
| 牛腎臓 | 0.9〜1.3 | トマト | 0.2〜0.5 |
| 豚 肉 | 0.15〜1.3 | グリンピース | 0.2〜0.3 |
| 豚肝臓 | 0.6〜0.8 | 芽キャベツ | 0.1〜0.4 |
| 豚腎臓 | 0.4〜0.7 | 米 糠 | 0.09〜0.11 |
| 鶏 肉 | 0.05〜0.1 | 大 豆 | 検出されない |
カラダを老化から守る抗酸化物質は多種多様。例えば赤ワインに含まれるプロアントシアニジンなどのポリフェノールや、人参の赤い色に代表されるβ-カロチンなどは代表的な抗酸化物でその有用性はよく知られています。しかし私達にとって最も基本的で重要な抗酸化物質は、α-リポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンE、ビタミンC、グルタチオンの5つです(文献④)。これらは抗酸化ネットワークと呼ばれるチームを組み、互いに助け合いながら活性酸素の攻撃からカラダを守っています。この内コエンザイムQ10とビタミンEは油に溶ける物質で、体内でも細胞膜などの脂質部分で、一方グルタチオン(システイン、グリシン、グルタミン酸という3つのアミノ酸でできています)とビタミンCは細胞の内外にある水に溶けて働いています。特徴的なのがα-リポ酸。α-リポ酸は水にも油にも溶けることができる物質で、体内のあらゆる部分に存在しています。自身が強烈な抗酸化力を発揮するばかりでなく、戦いで傷ついた他の4つの抗酸化物をよみがえらせ、強力なチーム力を維持する働きをしています(文献⑤下図参照)。チームを構成している5つの物質はいずれも非常に高い能力を持っていますが、α-リポ酸はさしずめチームの要、キャプテンといっていい存在です。

自動車が走るためにガソリンが不可欠なのと同様に、私たちは食事で摂取した糖や脂肪、たんぱく質を燃料として上手に利用しながら生命を維持しています。中でも糖は最も重要なエネルギー源。その糖がスムーズにエネルギーに変わるためにα-リポ酸は不可欠の存在です(α-リポ酸は間接的に脂肪やアミノ酸の燃焼にも関わります)。糖をエネルギーに変えるためにはビタミンB群など様々な物質が関わりますからα-リポ酸さえあればいいというものではありませんが、食事から比較的容易に摂取できるビタミン類などと違い、必要量の大半を体内合成と腸内細菌に依存しているα-リポ酸は、体内量が低下してしまうと補充がききにくい物質です。糖からのエネルギー生産は私達の元気の基本。カラダのα-リポ酸をハイレベルに保ち、パワフルな時間を過ごしたいものです。

α-リポ酸は医療分野でも利用されている物質です。多くの医薬品は摂取タイミング(食前、食後、食間など)が厳密に規定されていますが、これは成分をカラダに利用されやすくするための配慮で、摂取タイミングを間違えると効き目がなくなることがあるためです。α-リポ酸はデリケートな物質で、胃腸内で食品と一緒になると吸収量が大幅に低下してしまうことが確認されていますから、空腹時に摂取し、30分以上経ってから食事をすることが推奨されています。胃腸がデリケートで、どうしても食後に摂りたいという方はやむを得ませんが、この場合α-リポ酸の吸収は大幅に悪くなります。ちなみにコエンザイムQ10やL-カルニチンなども医療分野で利用されていますが、こちらは食後摂取が原則。特にCoQ10はα-リポ酸と逆で、食前に摂取すると極端に吸収が悪くなります。これらの成分をひとまとめにしたような製品は一見魅力的に映りますが、使う方に親身になったものとはいえません。